大企業の出現とイノベーション(技術革新)

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 19世紀中頃までは大規模に商品を生産しても商圏が狭く、規模の経済性によるメリットはあまり大きなモノではなかった。

 

 だが全国や世界などといった広範囲に商品を流通させることができるようになったことで、企業は大量生産によるメリット(規模の経済性)を獲得し始めた。

 

 メリットがあることが理解されると、企業は競って新しい生産方式を採用し、生産力の増強と生産性の向上を図った。

 

 そしてその発展は生産技術の発展だけにとどまらず、企業経営や金融システムのイノベーションをも押し進めることになった。

 

 すなわち企業は町工場の親方程度の知識と能力では経営が成り立たない規模にまで大きくなり、問題があった場合に経営者が現地に乗り出していっても何が起こっているかわからない状態になった。

 

 社員と出入り業者とアルバイトが区別しにくくなり、誰がどこで何をしているかなど、自企業の活動をしっかり把握するのが難しいような規模になった。

 

 そしてこのような仕事に携わる専門的な管理能力を持つ者が必要となった。

 


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巨大金融市場の出現

 また巨大企業の金融を支えるための巨大な債券市場、株式市場、保険市場等が発展した。

 

 カナダやドイツや日本では巨大銀行も企業ファイナンスの主役として活躍しだした。

 

 アメリカでは負債よりエクイティ(自己資本)によるファイナンスが盛んであったために株式・債券市場が大発展し、逆に日本やドイツでは借入(負債)によるファイナンスの比重が高かったので、日本やドイツでは銀行が発展した。

 

 そうして企業規模が大規模化したことで、市場による価格システムの調整作用が以前ほど意味を持たなくなった。

 

 「収穫一定」「収穫逓増」などによる「市場の失敗」、市場を独占・複占・寡占する企業による価格コントロール(トラストやカルテル)、そしてシャーマン法(反カルテル法)成立後の企業合併による超巨大企業の誕生(USスチール、コダック、ゼネラル・エレクトリックなど)などが、市場均衡システムに大きな歪みをもたらし始めた。

 

 企業組織も事業部制を採用する企業が増え、企業の事業内容も多角化する方向に進んだ。

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