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巨大企業の買収

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 本当によい事業資金の調達方法とはなんだろうか。

 

 1980年代、コーポレート・コントロール(企業金融)と言う分野この問題が浮上した。

 

 というのも企業の金融構造や所有、そしてコントロールに関して、とんでもない事態が山ほど起こったのだ。

 

 それは巨大企業の合併、買収、敵対買収、マネジメント・バイアウト(MBO)、バストアップ、スピンオフ、コングロマリットの分解、などという、企業グループの根本的な解体と再編成であった。

 

 企業はまるでリンゴかナシのように気軽に売り買いされ、そして粘土のように分解されたりくっつけられたりした。

 

 小さな会社が大きな企業を併呑すると言った驚天動地のとんでもない買収でさえ、当初こそ話題になったが次第に普通のこととなった。

 

 1980年代に起こった有名企業の大きな合併を少し列挙してみるとこうなる。

 

  • ジェネラル・エレクトリック社はRCAとNBCテレビネットを買収した。
  • たばこのRJレイノルズ社は、食品・製菓コンツェルンのナビスコ社を買収した。
  • 日本のブリヂストン社はファイヤーストーン社を買収し、ミシュランもグッドリッジを買収した。
  • ソニーはCBSレコードとコロンビア映画を買収し、松下電器はMCAを買収した後売却した。

 

 こういった激しい企業買収の結果、最盛期の1986年にはアメリカ企業の10%以上の資本の所有者が交代したという。


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敵対買収

 またこの時期には「乗っ取り屋」による「敵対買収」も盛んで、数々の公開(強制)買収が行われた。

 

「敵対買収」というのは買収先企業の株主に、市場価格の何倍もの価格を提示して買収し、企業の所有権(あるいはコントロール権)を手に入れるというモノである。

 

 だがその「流行」が今度は企業の経営者グループの危機感をあおり、経営者による自社株式の買収と株式の公開取引の停止(MBO:マネジメント・バイアウト)の流行を呼ぶこととなった。

 

 こうした買収や乗っ取りの流行の後、企業は必要な事業部だけ残しその他の事業部を売却したり(バスト・アップ)、社内の有望な部門を独立会社として分離したり(スピン・オフ:株主には新会社の株式を配分)した。

 

 こうした動きは、1960年代に進んだ企業のコングロマリット化(異業種企業を同一資本下においてコントロールする集団化)を解体し、企業のフォーカス化(逆多角化)を進めるモノであった。

 

 つまり1980年代にはもう企業は多角化するより専門分野に特化する方が収益性が高いという事実が明らかになってきていたのである。

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