中間管理職の業績評価
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---■中間管理職
---CEOの業績がそう言う風にハッキリ分かりやすいのに対し、仕事が直接業績に反映されないような部署の担当者や、中間に位置する管理職の業績評価の測定は外部や他部門の業績と互いに影響し合うから、非常に難しい。
だから替わりに中間管理職の報酬は、その責任の幅と部下の数によって決められることが多い。
それは言ってみれば役所の主査とか主任とか部課長のような役職に付与する給与のようなもので、「仕事が多い部署の中間管理職が高い報酬を受け取り、閑職の管理職が低い報酬になる」。
だがこういう仕組みで給与が決められると、業績をあげるよりも別のインセンティブが生じてしまう。
つまり中間管理職は多くの報酬を受け取るために、「より多くの責任を負い、より多くのスタッフを雇おう」とし始めるからである。
業績につながるかどうか不明の業務にも手を伸ばし、事業を拡大しようとする。
より多くの責任を負い、より多くのスタッフを抱えることによって給与が上がるなら、そういうことになるのは当たり前である。
だがそれは言ってみれば「官僚的肥大」である。
官僚が自分たちの仕事の有用性を統治者に訴え(インフルエンス活動)仕事の忙しさをアピールすることで仕事を増やそうとする。
だから企業はこのような官僚的肥大に対して、管理職の報酬とスタッフの数を切り離そうと試みるが、どれが将来伸びる業務でどれがダメな業務か、どれが必要な業務でどれが無用な業務であるかは判断が難しいので、なかなか上手くいかない。
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中間管理職に与えられうるインセンティブ
中間管理職に与えられうるインセンティブとしては、前述した昇進インセンティブとインセンティブ報酬契約がある。
だが昇進インセンティブには昇進するためのイスが必要であるし、インセンティブ報酬契約には業績を測定するための指標が必要になる。
従来は確かに昇進インセンティブが非常に有効なインセンティブであり、それだけでもかなりの効力を発揮していた。
だが近年は企業の管理職の権力がCEOや共同CEOに集中されて経営幹部(取締役)の総数が減る傾向にあるので、それもあまり有効なインセンティブとはなりにくくなってきた。
そういうわけで中間管理職に対しても何らかの指標を設定し、それによって業績給を与えるような様々なインセンティブ報酬が採用されるようになってきている。