インセンティブ強度原理
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従業員の業績をどう評価するかは難しい。
しかし評価の仕組みによって、企業の業績が良くなったり悪くなったりするわけだから、いかにうまくインセンティブを給料に盛り込めるかが大きな鍵になる。
従業員が上手く働いたことで業績が上がったのがハッキリしているのであれば、報酬でそれに報いるべきだ、というのが「インフォーマティブ原理」だ。
インフォーマティブ原理とは、「ある変数の値の観察により、パフォーマンスの測定誤差が減少できるとき、その時に限って支払いはその変数の値に依存すべきである」と書いてある。
歩合制のセールスマンを雇って商売しているような会社であれば、目先の売り上げだけを指標に歩合を払うわけだから、インフォーマティブ原理にかなう。
ただしこれでは、企業のコア・コンピテンス(事業を継続的に行うことによって継承される営業や技術のスキル)がなくなり、コア・コンピテンスを備えた企業にそのうち負けてしまう。
わずかな研修でセールスに出かけられる甲子園球場の売り子ならいざ知らず、売り上げが上げられないと給料は0ですぐにクビ、、というようなことをしていると、商品に対する知識を身につけている暇もなければ、お客様からの要望をフィードバックして新たな商品を開発することもできない。
目先の売り上げだけを問題にしていると、売り上げに直接は関係の薄い「雰囲気作り」「信頼作り」などといった地道な努力や評判は軽視されてしまう。
なので、多くの企業は売り上げ金額以外に「お客のリピート率」とか「利潤率」だとか、或いは「従業員の出社率」とか、、いろいろな判断基準を設けている。
もちろんインセンティブ報酬は、曖昧な判断基準では支払えない。
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インセンティブ強度原理
最適なインセンティブの強度は四つの要因によって決まる。
追加的な努力がもたらす利潤の増分
費用を掛けて従業員から努力を引き出してみても、利潤が増えないならお話にならない。
ある一部門だけを効率化してやる気を引き出しても、他で相殺されて利潤が増えないなら意味がない。
そういうわけで追加的な努力(input)と利潤(output)がパラレル(平行して増える)でなければならない。
リスク回避度
リスク回避度が大きいエージェント(つまり固定給を欲しがる人間)に対しては、あまりインセンティブ強度を強くしなくてもよい。
逆にリスク回避度が0に近い人間(つまり歩合給で給料をもらいたいと思っている人間)に対しては、インセンティブを与えるべきだ。
業績評価の正確さ
業績が正確に評価できれば、分散値(平均値からのばらつき)は小さくなる。
そうであればインセンティブを強くしても十分効果がでる。
だがしかしうまく業績が評価できなければ分散値は大きくなり、強いインセンティブを与えてもあまり効果がでなくなる。
インセンティブに対するレスポンス(反応)の強さ
たとえば一定の速度の生産ラインで働いている従業員に対してインセンティブを与えても、生産ラインの速度を上げない限り意味がない。
つまりレスポンスの強さが強ければインセンティブを強くすべきだ。
しかし、レスポンスの強さが弱ければインセンティブは弱くてよい。
これらの要素をまとめて式に表すと、β=P’(e)/{1+rVar(x+γy)C’(e)}となるか書いてあるけど、、、、あんまり意味はないか。