プロフィット・シェアリング制度
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多くの企業では、従業員グループに対してインセンティブ報酬が支払われている。
良い業績を上げた部署やチームに対してボーナスが支払われ、褒賞が与えられたりする。
これらのインセンティブは明示的な場合もあるが、日本の企業のように暗黙のルールとして行われている場合も多い。
アメリカでは従業員グループに対する明示的なインセンティブ報酬として、プロフィット・シェアリング制度があり、1988年にはおよそ三割の企業がこの制度を採用していた。
この制度の下で従業員は、利潤の一部をボーナスとして受け取る。
が、全従業員が対象である場合は少なく、たいていは幹部職員に対するボーナス契約である。
だからこの制度を採用している企業は多いが、従業員の全所得に対する比率は1%程度に過ぎない。
対照的に日本では、年収の約四分の一がボーナス給として支払われている。
日本の企業ではボーナスは利益に左右されるが、殆どの職員に対して支払われる。
だから日本ではこのプロフィット・シェアリング制度が、社会全般に浸透している。
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ゲイン・シェアリング制度
グループ・インセンティブ制度の別の例としては、ゲイン・シェアリング制度がある。
ゲイン・シェアリング制度とは、グループが前もって設定された目標を達成した場合にグループに支払われるボーナス制度である。
たとえばアメリカ最大のトラック部品メーカーであるダナ社では、産出額と労務費との比率によってボーナスが支給される。
つまり少ない労働力で仕事をこなすと、その超過分の75%がボーナスとして支給されると言う制度である。
これを「スキャンロン方式」という。
また製鉄会社のナコール社では、従業員に支払う報酬のおよそ半分以上が「達成給」で占められている。
そのため従業員一人当たりの生産量は、アメリカ平均の二倍に達しており、インセンティブ報酬の威力を見せつけている。
またエアコン・暖房器具メーカーのキャリアー社では、高品質商品の産出量の増加によって生じた労務費節約額の半分を、従業員にボーナスとして還元している。
このため製品の不良品発生率が抑えられ、24%も生産性が向上した。
最後にエレクトロニクス会社のアナログ・デバイス社では、管理職に対しては業績給、中堅職に対しては業績半分+生産増加分半分という形の業績給、生産チームに対しては生産増加にたいするボーナス給という複雑な制度が導入された。
だがシステムが複雑すぎて、従業員に対して効率的なインセンティブが与えられたかどうかは定かではない。