第2章の基本式
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■GDP基本式
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・国民所得勘定の恒等式:
Y(産出)=C(消費)+I(投資)+G(政府購入)+NX(輸出)
・輸出入が無視できる場合→ NX=0
・NX=0の場合、経済の産出高Yは、その経済に存在する生産要素
(資本と労働)と生産技術(生産関数)によって、決定される。
・資本とは生産に必要な土地建物・機械などをいい、Kで表す。
・労働はLで表し、生産関数はそれらの関数F(K、L)で表す。
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■名目GDPと実質GDP
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(例)
{名目GDP}=Σ{2000年の財の価格}×{2000年の取引量}
{実質GDP}=Σ{1990年の財の価格}×{2000年の取引量}
経済厚生(経済的な満足度)を示す値としてはリアルなGDPの
方が優れている。
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■GDPデフレーター
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{名目GDP}/{実質GDP}={デフレーター}
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■消費者物価指数CPI(例)
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CPI=
2000年のリンゴの価格×5+2000年のみかんの価格×2
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1990年のリンゴの価格×5+1990年のみかんの価格×2
■労働力人口=就業者数+失業者数(=全人口 - 非労働力人口)
■失業率(%)=(失業者数/労働力人口)×100
■労働市場参加率(%)=(労働力/成年人口)×100
労働力人口には子供や学生・隠居・引退者などは含まれない。
そして特に注意しなければならないのは
「働きたいけど職探しを諦めてしまった人口」
も非労働力人口として計算されることである。
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第3章の基本式
1.
生産要素(つまり資本Kと労働力L)と生産技術(つまり生産関
数F(K、L))が経済全体の財やサービスの総産出量を決める。
すなわち生産要素が増えたり生産技術が進歩しない限り、総生産
は増えない。
2.
競争的利潤最大化企業は、労働力を労働の限界生産力MPLが実
質賃金率W/Pと等しくなるまで雇う。実質賃金率とは、労働者の
賃金を生産物の量で示したものである。
∴MPL=W/P
また資本も資本の限界生産力MPKが資本の実質レンタル料に等
しくなるまで用いられる。実質レンタル料とは資本(工場の土地建
物や生産機械など)のレンタル料を生産物の量で示したものである。
∴MPK=R/P
この時生産関数F(K、L)が規模による収穫が一定(すなわち
大工場でも零細工場でも一個当たりの生産コストが同じ)ならば、
全ての産出量は要素投入に対する支払いに充てられることになる。
すなわち
Y = MPL・L + MPK・K + EP
でEP=0
3.
輸出入が無視できる経済においては、NX=0で、
Y(総生産)=C(消費)+I(投資)+G(政府購入)
である。
この時消費関数Cは租税Tに関してC=C(Y-T)と定義できる。
Y-Tは「可処分所得」でCはY-Tと順相関関係にあると考えら
れる。また貯蓄Sは
S(貯蓄)=Y(総生産)-T(税金)-C(Y-T)
と定義できる。GとTは政治的に決められるので外生変数である。
4.
投資I=I(r)は実質利子率rの逆相関関数である。
すなわち利子率rが高いと貯蓄の方が投資より有利になるので投
資が減る。逆に利子率rが低いと貯蓄より投資の方が利回りが良く
なるので投資が増える。
また政府購入Gが増えたり租税Tが減ると、利子率rが上昇する
が、これを特に「クラウディング・アウト(押し出し)」という。
理由はその分貯蓄Sが減少するからである。
第4章の基本式
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■一人当たり基本式
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規模の経済性の不変を仮定したときの生産関数:
zY=F(zK、zL)
労働Lで割ると: Y/L=F(K/L、1)
労働者一人当たりの生産関数f: y=f(k)
ただしk=K/L、f(k)=F(k、1)
一人当たりの産出・消費・投資(貯蓄): y=c+i
貯蓄率をsとすると: c=(1-s)y 0≦s≦1
一人当たり投資i: i=sy となる。
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■資本ストックの定常化(収束)
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減価償却率をδ(0≦δ≦1)とすると、資本ストックの変化は
Δk= i-δk
Δk=sf(k) - δk (∵i=sy=sf(k))
である。Δk=0となる状態を特に「資本ストックの定常状態」と
呼び、この時のkをk*と書いて表す。
i、δk δk:資本の一人当たり減価償却
↑ /
| _――――――――sf(k):一人当たり投資
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| /_____________
0 k1 → k* ← k2 k
最初の状態がどのような状態であっても結局kは次第にk*に収束
していく。つまり
「一人当たりの産出量yは長期的には貯蓄率(投資率)sによって
決まる」。