失業のパターン

更新日:

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■失業期間
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 摩擦的失業は一時的な失業であり、比較的短時間の失業である。

 

 それに比して待機失業は、失業者が時期を待っているのであり、
比較的長い期間にわたる失業である。

 

 失業者がどのような理由で失業しているか、、、すなわち摩擦的
失業がなのか待機的失業なのか、、、という分析は失業対策を練る
際に重要な問題となる。

 

 前回も述べたとおり摩擦的失業はマッチングの不具合によって生
じるモノで、待機的失業は実質賃金の硬直化によって生じるモノで
ある。

 

 だから失業者の殆どが摩擦的失業者であるならば、行政は仕事の
マッチングに重点を置けば良く、待機失業者が無視できないほどの
状態であれば、北欧諸国の政府のように労働者の実質賃金を引き下
げるような根本的な賃金政策を行わなければならなくなる。

 

 

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失業者の年齢と人種

 

 失業率は、労働者の年齢層や人種と言ったグループによっても異
なっている。

 

 1992年のアメリカのデータでは、若年層の労働者層が極めて高い
失業率を示し、白人に比べて黒人の失業率が高くなっている。また
男性の失業率が女性の失業率よりやや高くなっている

 

 だがこれらの失業率のデータから、若年層や黒人層・女性の就業
が何らかの理由によって妨げられている、、、、と考えるのは早計
である。

 

 というのもこの章の第一回目に考えたとおり、失業率は
「新規に就職する者の率と新たに退職する者の率による関数」
で示されるモノなのである。

 

 だから実際に就職率が低いせいで失業率が高いのか、それとも離
職率が高いせいで失業率が高いのか、、、そういった情報を調べて
みなければならない。

 

 就業と離職との間の移行過程について調査している経済学者は、
「高失業率グループは、高離職率である」
という事実を発見しているが、アメリカの若年層の高失業率は高離
職率によるものである。

 

 というのも就業率はそれ以外の層と大差はなく、離職率は四倍に
ものぼっているからである。

 

 若者はまだ職に就いて日が浅く、自らの職能や仕事に対する相性
について何らデータを持ち合わせていない。

 

 自分のやりたいこと、自分の適性、そういったことがまだハッキ
リしていない段階で、自分にあった仕事を模索するために一度就い
た仕事から離職し別の仕事に就こうとするのは当然である。

 

 日本の男性の55歳以上の層の失業率も高いが、これは就職率の低
さが原因であろう(もちろん離職率も高いだろうと考えられるが)。

 

 一方黒人の失業率が白人に比べて著しく高いという原因は、まだ
良くわかっていない。

 

 黒人の十代の若者の高離職率・低就職率は確かであるが、その低
就職率を阻んでいるモノが単なる機構的なモノか雇い主による差別
であるかはハッキリしない。

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