もうちょっとIS-LMモデル
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■線形IS-LMモデル
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これまではIS曲線を
Y = C(Y-T)+I(r)+G
としてきた。
ここで各要素を線形モデルで表して考えてみる。
消費関数Cは、何はなくとも消費しなければならない食費だとか
家賃だとか言った固定部分a と、使える金(可処分所得)が増え
たら増え、使える金が減ったら減るような部分 b(Y-T) との合計
であると仮定する。
これは使える金が一円増えたらb円消費が増えるということであ
るから、bはつまり限界消費性向のことである。これらを式で表す
と
C=a+b(Y-T) a>0、0<b<1 ・・・(1)
となる。
また投資関数I(r)も利子率に関わらず投資される固定部分cと、
利子率rの上昇・下降によって影響を受ける変動部分drとの合計
だと仮定する。
投資の変動部分は利子率rの上昇・下降と逆相関関係になるので
drの係数はマイナスになる。つまり
I=c-dr c、d>0 ・・・(2)
である。
これらの(1)(2)を所得勘定の式に代入すると、
Y=a+b(Y-T)+c-dr+G
となる。
で右辺のYを左辺に集めて変形すると、
(a+c)+(G-bT)-dr
Y = ――――――――――――――― ・・・(3)
(1-b)
となる。これがつまり線形のIS曲線関数である。
aとcは定数、GとTは政府の決定する外生変数であるから、こ
の式から以下のことがわかる。
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★IS曲線の傾き
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rの係数はマイナスだから、利子率rが高くなれば所得水準Yは
下がる。つまりIS曲線は右下がりになる。
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★政府購入Gと税金T
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政府支出をΔGだけ増やせばIS曲線は右にΔG/(1-b)だけシフ
トし、税金をΔTだけ増やせばIS曲線は左にΔT/(1-b)だけシフ
トする。
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★投資の感応性d
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利子率rの係数は-d/(1-b)で、これはIS曲線の傾きを示して
いるから、投資Iの利子率rに対する感応性dが強ければ強いほど
IS曲線の傾きはきつくなり、利子率のわずかな変動にも所得Yが
大きく反応することになる。
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★限界消費性向b
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また限界消費性向bもIS曲線の傾きに影響し、bが大きければ
大きいほど所得Yが利子率rの影響を大きく受ける。逆にbが小さ
ければ小さいほどIS曲線の傾きは緩やかになり、利子率rの変動
の所得Yへ影響は穏やかになる。
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★政府購入乗数
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Gの係数は1/(1-b)、Tの係数は-b/(1-b)であるから、国民
の限界消費性向bが大きければ大きいほど政府の財政政策や増税の
影響(IS曲線のシフト)は大きくなり、乗数効果は大きくなる。
※ 逆に日本のように老齢化が進み限界消費性向bが小さくなると、
乗数効果は小さくなる、、、ということかな?