国民所得の生産要素への分配
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■要素価格
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経済(閉じた経済)における総産出は総所得に等しい。つまり総
収入は売れた財やサービスの価格の総合計に等しい。
一方、財やサービスの生産は生産要素(生産機械や土地などの資
本Kと労働L)と生産関数(ある財を一単位生産するのに必要なK
とLの割合)によって決定されるから、国民所得もそれによって決
まることになる。
「貨幣のフロー循環図」を思い出すと、
「企業」
↓ (要素代金支払い)
{生産要素市場}
↓ (賃金・地代・株式配当)
「家計」
であるから、国民所得の分配は「生産要素の価格」つまり「賃金や
地代・株式配当」などによって決まることになる。
さてここである経済における生産要素が一定であると仮定すると、
生産要素の供給曲線は
P(要素価格)
↑
| |S(要素供給曲線)
| |
| |
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| |
| |
0 ――――――――――――――→Q(要素供給量)
(一定)
となる。
ここで要素の需要関数を考えると、要素価格はこの交点に決まる
ことになる。
P(要素価格)
↑
| \ |S(要素供給曲線)
| \ |
| \ |
| \|
p'|---------- |
| |\
| | \
| | \
| | \
0 ―――――――――――――――→Q(要素供給量)
(一定)
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TOEIC 特訓コース
競争的な企業の直面する問題
この経済に参加している競争的な企業が直面する問題について考
える。
競争的な企業とは市場支配力のない企業のことで、このような企
業にとっては生産要素の価格は所与(given自分では決められない)
の価格となる。
つまり市場規模に対して影響力が殆どない程度の生産規模の企業
で、原材料や労働力などをいくらたくさん集めても、原材料価格や
労賃が値上がりしないと言う状態である。
この企業の生産関数を
Y(生産量)=F(K(生産機械の数)、L(投入労働のべ時間))
とし、生産した商品の価格をP、従業員の賃金をWで雇い、資本を
Rのレントで借りるとする。
(※ただしここで資本の提供者は「家計」である)
さてこの時企業の利潤はどうなるか? というと
{利潤}={収入}ー{労働費用}ー{資本費用}
であるから、
{利潤}= P・Y - W・L - R・K
=P・F(K、L) - W・L - R・K
となる。