投資するか、投資しないか、の分かれ目。
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レンタル企業が投資を増やすか減らすかを判断する場合、それは
もちろん資本を増やせば利益が上がるかどうか、によって決定され
ると考えられる。
利潤(率)=収入-コスト であるから、資本を一単位増やした
場合の想定利益は、
MPK(資本の限界生産力)-資本一単位の維持コスト
となる。これがプラスになれば資本を増やす判断をし、マイナスで
あれば資本を減らすという判断をすることになる。
これがつまり「投資インセンティブ」であるが、純投資ΔKの水
準を決定する投資インセンティブ関数をInとすると
ΔK=In(MPK-(Pk/P)(r+δ))
となる。
また企業の固定投資に対する総支出は、純投資と資本減価償却分
だから、企業の固定投資関数Iは、
I=ΔK+δK= In(MPK-(Pk/P)(r+δ)) + δK
ということになる。
この式は、利子率rが投資にどういう影響を与えるか大まかに表
している。
つまり、利子率が上がれば資本維持コストが上昇し利潤率が下が
る。これによって投資に対するインセンティブが小さくなり、投資
が小さくなる。
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租税と投資
租税のあり方は、投資に影響を及ぼす。
たとえば企業の利潤に課税する法人所得税の定義は、企業の利益
を大きくしたり小さくしたりするので、もろに投資に影響する。
たとえば減価償却の算定方法は、実質的な減価分ではなく購入時
の価格に依存するから、インフレ時期には補填費用が高くなる。
つまり100万円で購入した資本が、5年後1000万円でしか買えない
状態になっていると、企業は資本を更新するために補填費用を900
万円支出しなければならない計算になるが、法的に認められる減価
償却費用は100万円である。
だから減価償却にともなう補填費用で考えると実質上利益は0で
も、税法上は利益が出ているという風に判断され課税されるという
ことが起こる。
こうなると資本を保有するインセンティブがなくなるので、投資
が減退する。これを防ぐ意味で「投資税額控除」という規定がある。
つまり投資のうちの何割かを税額の対象からハズしたりし、投資
インセンティブを高めるわけである。