ソローの成長モデル・資本の蓄積
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今回から第二巻の第四章を読んで勉強していくことにします。
ソローの成長モデルです。ワクワク、、、、
■今日の復習■
◇生産関数:
産出高をY、資本をK、労働をLとした場合の生産関数Fは
Y=F(K、L)
任意のzに対して
zY=F(zK、zL)
である。ただし資本とは生産に必要な土地建物・機械などを指し資
金ではない。
また労働や資本には一般的に「限界生産力の逓減」が起こる。
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資本の蓄積
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ある閉じた経済の産出高(総生産)は、その経済のもつ生産要素
(すなわち資本と労働)と、生産技術(すなわち生産関数F)によ
って決まる、、、、というのが現段階での我々の理解である。
とすれば世界の様々な国々の経済産出高を決定しているのも、こ
れら生産要素と生産技術の状況であり、各国国民の所得格差の原因
もここに由来するモノだと考えられる。
すなわち豊かな経済には豊かな資本と豊かな労働と進んだ生産技
術があり、乏しい経済にはそれらがない、、とそう言うことになる。
だが歴史を振り返ってみても、豊かな国々がずっと豊かであり続
け、貧しい国々がずっと貧しいままであるわけではない。
かつては途上国と呼ばれた国々の中にも目覚ましい経済発展をと
げた国々もある。かつては世界中の富を集めたような国々でも、今
は寂しい経済状況で止まっている国々もある。
経済はそうして成長したり衰退したりするのであるが、それでは
一体その原因はどこにあるのであろうか。
この章ではソローの成長モデルについて勉強する。
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財の供給と需要
生産関数Y=F(K、L)から話を始めよう。
ここで話を簡単にするために「規模による収穫不変」を仮定する。
すなわち大きな企業でも小さな企業でも、ある財やサービスを一
単位生産するのに必要な資本量Kや労働量Lは同じであるというこ
とである。
そうすると「労働者一人当たりの産出量Y/L」を考えることが簡
単になるので、生産関数をLで割った式を考えてみる。つまりzY
=F(zK、zL)のzに1/Lを代入するわけで、
Y/L=F(K/L、1)
である。
この式は労働者一人当たりの産出量Y/Lと、労働者一人当たりの
資本量K/Lの対応関係(つまり関数)を示しているから、Y/Lを
y、K/Lをkとすると、労働者一人当たりの生産関数fが
y=f(k) ただしk=K/L、
またf(k)=F(k、1)
という風に書けることになる。
この時「資本の」限界生産力MPKはf(k)の微分係数であり、
f(k+1)-f(k)で、以前にも述べたとおり「限界生産力は
逓減」するから、グラフにすると、
y(労働者一人当たりの産出量)
↑
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| /
| /
| /
| /
|/
|_______________
0 k労働者一人当たりの資本量
ということになる。
これは殆ど何の資本も持たないような農民に土地と農機具一単位
を手渡せば生産量は飛躍的に増大するが、それからさらに土地や農
機具を増やしていっても、最初の頃ほど生産量は伸びなくなってい
くということで、資本(土地や機械)ばかりいくら与えても一人の
労働者の生産できる量には自ずから上限がある、、、と、そんな感
じである。
ここでこの一人の労働者の所得はyであるが、このyを労働者一
人当たりの消費cと労働者一人当たりの投資iに分けてみると
y=c+i
と書ける(これは閉じた経済(NX=0)の国民所得勘定の恒等式
Y=C+I+Gを労働者一人当たりで除した式であるが、労働者一
人当たりの政府購入gは捨象されている)。
で、貯蓄率sを0≦s≦1なるsを用いて表すと消費関数cは
c=(1-s)y
となるから、投資i(貯蓄に等しい)は i=sy となる。
つまりsは、一人当たり生産から投資に回される率でもあるので
ある。