短期的な生産量(総供給)
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短期的な視点で見ると、需要が減っても価格はなかなか下がらな
い(硬直的である)。極端な場合は売れても売れなくても同じ値段
のまま商売をしようとする会社も多い。
そうなると「物価水準は固定的で、生産量が伸縮的」になる。
つまり短期的な総供給曲線(SRAS)は下図のようにフラット(水
平)になるから、たとえば中央銀行が貨幣流通量を減らしたとした
なら需要曲線が0に近づいて「生産水準が下がる」。
P(物価水準)
↑
| ←\
| \ \
| \ \
|――――\―\―――――SRAS
| \ \
| \ \
| \←\
| \ D
0 ―――――――――――――――→Y(産出、所得)
需要曲線が0方向にシフトしても、企業はすぐに販売価格を下げ
るということをしないので、売れない(当たり前)。
そして売れないから在庫が倉庫に山積みになり、生産が止まる
(当然だ)。よって生産水準が下がる。
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短期と長期の接点
短期のグラフと長期のグラフを重ねると、必ず交点ができる。
短期的な変動が小さいとき、需要曲線Dはこの交点を通過するこ
とになるだろう。
P(物価水準)
↑ LRAS
| \ |
| \ |
| \|
|――――――\―――――SRAS
| |\
| | \
| | \
| | AD(総需要)
0 ―――――――――――――――→Y(産出、所得)
ここで前回のように中央銀行が貨幣流通量を減らしたとする。
そうすると需要曲線ADは0に近づくが、短期的には価格は硬直的
なもんだから、生産水準はSRAS曲線に沿ってaまで下がることにな
る。
P(物価水準)
↑ LRAS
| \ |
| \ \ |
| \ \|
|―――\←←\―――――SRAS
| a \ |\
| \| \
| \ AD(総需要)
| |
0 ―――――――――――――――→Y(産出、所得)
次に時間がたつにつれてADに沿って物価水準が徐々に下がって、
「長期的には生産水準が回復する」。ただしこのときSRASは下がっ
ている(SRAS’)。
P(物価水準)
↑ LRAS
| \ |
| \ \ |
| \ \|
|―――\――\―――――SRAS
| a \ |\
| ↓ \| \ ↓
| ・→b\―――――SRAS'
| |
0 ―――――――――――――――→Y(産出、所得)
そうしてLRASは変化しないが、新しい需要曲線ADに対して新しい
SRASができることになるわけである。