LM曲線のまとめ
更新日:
・短期的な観点から見ると、モノの値段や給料は硬直的(一定)で
あると考えられる。
・また貨幣の供給量Mは政府や中央銀行が決定するものであり、経
済内の諸関係によって変動するものではないので、短期的には一定
である。
・その結果、貨幣量Mを物価水準Pで割った実質貨幣残高M/Pは、
短期的には「定数」となる。
・一方、貨幣に対する需要は利子率rによって変動する。
利子率rが高いとそれを借りて儲かるような商売は少なくなるか
ら借り手は減り、貨幣の保有コストが上昇するから需要が減る。
逆にrが下がると金を借りて儲かる商売が増えるので、金を集め
る需要が増えて貨幣にたいする需要が増大する。
・要するに利子率rと貨幣需要Lが逆相関関係にある、というのが
ケインズの「流動性選好理論」である。
・この理論に寄れば、中央銀行が金融引き締めを行って貨幣の供給
量を減らせば、(短期的に)利子率が上昇するということになる。
・一方所得水準Yの増減も貨幣に対する需要に影響を与えると考え
られる。
・つまり収入が増えれば人々はよりたくさんのモノを買うために、
貨幣に対する需要Lが増大し、一方収入が減れば人々は消費を節約
すると考えられるからで、貨幣(実質貨幣残高)に対する需要Lは、
Yと順相関関係にあるだろう。
・よって実質貨幣残高に対する需要Lは、利子率rと所得水準Yの
関数であり、rとは逆相関、Yとは順相関ということになる。
スタディサプリENGLISH
TOEIC 特訓コース
LM曲線の図解
所得が増えれば貨幣に対する需要が増える。その結果利子率rは
上昇する。
つまり所得水準を Y1 < Y2 としたとき、L(r、Y2)はL(r、
Y1)の外側に来ることになる。
利子率r
| ■ Y1 < Y2
| \ \
r'|……\………\
| \ ↑\
↑| \ ↑ \
| \↑ \
r|………………\ \L(r、Y2)
| L(r、Y1)
―――――――――――→M/P
M/P
ここで短期的にはM/Pは一定だから、同じM/Pならば所得水
準Y1の時より所得水準Y2の時の方が利子率rは高くなる
→ よってrと所得水準は順相関の関係にあることになり、下図の
ようなLM曲線が描かれることになる。
利子率r
| /LM曲線
| /
| /
| /
| /
| /
|
―――――――――――Y(所得・総生産)