生産量は、資本(機械や材料)と労働の存在量および利用可能な技術の水準によって決定される。 古典派モデルの仮定によると「生産量は物価水準に左右されず、物価がどうであろうとも生産高は変わらない」ということであるので、総供給曲線(AS)は下図のように垂直に立つことになる。 P(物価水準) ↑ LRAS | | | | | | | | |...
短期分析総供給記事一覧
総供給モデルの第一はスティッキー・ウエッジ・モデルである。 スティッキーのスティックとは工作などに使う糊のことで、「ベタベタした」ということである。 このモデルは現代の労働者の賃金が経済状況に素早く反応しない「名目賃金」で固定されていることを強調する。 賃金は契約によってその額が決定されるから、インフレが生じてもデフレが生じても一定期間内に一定の名目賃金が支払われ、短期的に硬直的な動きをする。 ...
総供給の第一のモデルは「スティッキー・ウエッジ(硬直賃金)モデル」であった。 スティッキー・ウエッジ・モデルは、賃金が名目価格で支払われて次の「給金直し」まで硬直的であることに着目するモデルであった。 賃金が名目的に硬直的であれば、インフレによって実質賃金の低下が起こったばあいに「企業はより多くの労働者を雇うことができる」。 多くの労働者を雇うことができれば、生産関数Y=F(K、L)により総供給...
総供給の第一のモデルは「スティッキー・ウエッジ・モデル」であった。これは賃金が名目賃金で支払われるうちにインフレが生じ、実質賃金が下がることによって企業が雇用を拡大して生産が増えるというものであった。 総供給の第二のモデルは「労働者錯誤モデル」であった。 このモデルは労働者が物価水準の上昇に気づかず、それに伴って引き上げられた名目賃金Wを「実質賃金の上昇だ!」と錯誤することで労働供給量が増え、そ...
戦争とか大災害でもなければ、総供給Y(=GDP)が大きく減ったりするということは考えにくい。 そしてまた財やサービスの供給力というのは、生産関数F(L、K)で示されるように、労働力と生産に利用可能な資本(土地や機械)によって上限が決まっているし、それを消費する側の消費レベルも同じく上限が決まっているから、突然総供給が倍に増えたりということもまずない。 だから総供給というものは長期的には「一定」で...
「貨幣はなぜ価値を減らしていくのか?」 ロバート・ソローは1970年の高インフレについて述べた。「それは我々がインフレーションを予想する結果インフレーションが生じ、インフレーションが生じたから次もまたインフレーションが起こると思うからである」 人々がインフレを予想し、そしてその結果インフレが起こる。 インフレが起こるから、人々はまたインフレが起こるだろうと考えて行動する。インフレーションは、そう...
■フィリップ曲線(復習)----------- インフレ率をπ、予期されるインフレ率をπe、失業率をU、自然失業率をUn、サプライ・ショックをε、パラメータをβとすると、 π = πe - β(U-Un)+ ε (β>0)である。この式を「フィリップ曲線」と呼ぶ。 インフレ率π ↑ | \ | \ | \ | \ | \ | \ ...
賃金や価格がなぜ、需給バランスに基づいた水準に速やかに調整されないか? という問題には様々な解説がなされる。 新古典派の研究者は「リアル・ビジネス・サイクル理論」を唱え、新しいケインジアンは、メニューコストでそれを説明しようとする。 リアル・ビジネス・サイクル理論についてはまた後日、、たぶん二三ヶ月後に読むことになるが、ここではケインジアンのメニューコスト論についてである。 で、そのメニューコス...
価格の硬直性が誰の利益にもつながらないとしても、多くの人々が「価格は硬直的である」と予想すれば、価格は硬直的になる。 というのもそう予想すれば、自らの価格の調整もしないからである。 他のモノが価格を変更しないのになぜ自分が変更する必要があるのか? と考えればそれは納得がいく。 たとえば多くの企業が価格を引き下げれば需要が爆発し、より多くの利潤が得られるとわかっていても「他社が皆価格を引き下げなけ...