エクスペリエンスな企業は顧客に驚きとワクワク感を与える
テキストではエクスペリエンスについて3Sモデルを提起している。
それによると顧客満足が第一のS、顧客我慢を減らすのが第二のS、そして第三のSは「サプライズ」である。
エクスペリエンスをお金を払ってもらえる価値とするためには、顧客満足がまずベースで、次に顧客我慢を徹底的に減らす段階を経る。
そしてその上でさらに顧客にハプニング的なサービスを提供する必要があると言うのだ。
お客は顧客満足を増し、顧客我慢を減らすだけでは飽きてしまう。
いつ行っても同じ味、同じサービス、同じモノ、と言うのでは、退屈してしまう。
もちろん同じ味、同じサービス、同じモノでよい場合もある。
それはお客さんがそれを求めているような場合である。
わたしなどわざわざ電車で出かけて、「天下一品」や「餃子の王将」で飯を食うことが多い。
京都で長年学生として暮らしたので、天下一品の旨いとも不味いとも言えないが独特のこってりした味や、餃子の王将の旨いとも不味いとも言えないが、独特のジャンボ餃子をどうしても食いたくなる時があるのである。
幸いなことに関東にもこれらの支店がたくさんあるので、そう言うときは何をさておき電車に乗って食いに行くが、東京に来て最初に天下一品や餃子の王将の看板を見つけたときには涙した。
たとえ中華丼が醤油臭くても、天津飯のアンがケチャップ臭くても許せた。
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京都のこれらの店で最初に食事したときには、「変な味やな」と思ったものが、東京でその変な味に再会したときには涙が出るわけだから、昔からの味を変えないとか、どこへ行っても味が変わらないというのも大きな価値である。
しかしマンネリ化してはいけない場合もある。
それはつまり競合他社と価格やサービス上でほとんど差がなかったり、提供している価値自体がハプニング性に乏しいような場合である。
エクスペリエンスの価値というのは一番最初にもあったように、個人に「思い出」や「新しい体験」を作る舞台を提供するものである。
いつもいつも同じであると慣れてしまって思い出や新しい体験にはならない。
だからエクスペリエンスをステージングする企業は、そう言うモノが生まれるような仕掛けを何とか用意しなければならないわけだが、その一つが「サプライズ」というハプニング的なサービスである。