平均的なサービスが、顧客にガマンを強いる。
「顧客が何かマスプロ製品を買うときには必ず、欲しくないものを欲しいものと一緒くたに受け入れることになる。
それは企業が生産または流通において、資源を無駄にしていることも意味する。
ビデオデッキやビデオカメラのような製品の場合メーカーは、新しい要素の中には顧客に望まれるモノもあるだろうと希望的に考えて、製品に絶えず特色を付加している。
あるホテルが全ての部屋で毎晩使わないのに、アイロンとアイロン台をどの部屋にも備え付けること、あるいは航空会社の社員が飲み物を運ぶカートに、大半が通路の奥に残されることになる、袋入りプレッツエルと缶入りソーダを積み上げるのもほとんど同じである。
」(以上、テキストA126ページ)ビデオカメラに山ほど様々な編集機能を付けたり、便利な(ように思えるがまるで使わない)機能を付けたりしても、実は殆ど使わない。
操作ボタンはどんどん小さくなるしワケ分からん。
そしてホテルの各部屋にアイロン台があっても、アイロンがけをする顧客は一体何%いるというのだろう?100人のうち一人か二人しか使わないような機能を付けたことによって、支払う代金が増えたり使い勝手が悪くなったりするとしたら、残りの九十数人はそのために我慢していることになってしまう。
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個客ガマンとは、ムダな物をつけて売ると発生する。
一度も使わない機能やサービス。
こういう物を揃えて胸を張るメーカーや企業は多い。
「お客様のためにそういう機能やサービスを充実させました」。
というのはこういうムダな機能やサービスをつけたということだ。
平均的な顧客(というよくわからない存在)のために、あれやこれやと機能を追加したりサービスを増やす。
これが実は「個客」我慢を生む根本的な原因なのである。
そしてそのような製品やサービスを企業が提供し続けることによって、顧客はそういう我慢を当たり前のモノとして受け入れるようになる。
顧客は次からは「そういうものだ」という期待しかせ、ずモノやサービスを購入することになるから、ひどい話だが「顧客満足度は上昇する」。
企業や店と顧客は、モノやサービスの購入というインタラクション(交流)によって、お互いの情報を交換するが、このようなケースではたいてい「顧客があきらめ」、その結果、何の感動もないつまらない時を過ごす。
そうして大事なお客様はいつの間にかどこかへ行ってしまうか、はした金しか使ってくれなくなるわけである。