はじめに…
グレゴリー・マンキューは29歳でハーバード大学の教授に就任した秀才である。
マンキューはこのテキストを著すにあたり、
それまでの短期経済変動を中心としたマクロ経済学とは
異なった「長期分析から短期分析に至る」という手法を用いた。
すなわち現代経済では多くの財やサービスに「下方硬直性」が認められ、
特に労働者に支払われる給与などは
いくら不況であってもクビにする以外はなかなか下げることができない。
賃金を一律カットしようとすると
外部雇用機会のある有能なスタッフはどんどん辞めていき、
後にはあまり生産性の高くない従業員ばかりになってしまう。
そういうわけだから企業は不況になっても賃金を引き下げず、
新入社員や欠員の補充をせずに済まそうとするから、給料自体は下がらない。
つまり労賃は短期的には伸縮性を持たず硬直的であるから、
古典経済学でおなじみの市場均衡理論は適応できないのである。
だがしかしそれでも長期的にみればやはり労働市場で調整が起こっている。
… と言う書き出しで始まる、マンキューのテキストから、マクロ経済学を学びましょう!
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